JOYCの目指すところと違うことをしている理由

JOYCの目指すところと違うことをしている理由

TAKAです。0泊3日という強行スケジュールでしたがJOYC東北参加させていただきました。車移動で夜中3時に出て、朝7時について、翌朝4時までの打ち上げ参加という楽しい時間でした。腰が痛くなってもう若くないなぁと思いつつ、そんなことばっかりやってきた20年間でもあるなぁと思いました。

JOYC東北が無事に終了しました。参加してくれたプレイヤー、観客のみなさん、ありがとうございました。第1回という白いキャンパスに色を付けていくという作業は前例があってこれくらい参加者がいそう、こういう流れならこのパターンという作業化された部分がなく、各地区大会ごとに毎回新鮮な気持ちで運営させていただいています。また地区大会ごとに現地のメインスタッフとなる方たちに運営のメインをお任せしているので運営スタイルの違いを見ることができるのも勉強になります。

今回は三上さんを中心にした403YOYOCLUBの皆さんたちに運営をお願いしていました。第一回目というのもありますが各地区ごとに運営スタイルが少しづつ異なっていたり、打ち上げのスタイルもそれぞれです。

地区大会、そしてファイナルという流れを作るにあたって地区ごとに違う”お祭り”にしていきたいという思いもあり地区の裁量が多い(受け入れ地元スタッフの方の負担もその分多くなっていますが)運営になっています。

今日はJOYCの目指すところとそれを行うためにいままでにないいくつかの取り組みをしているのでその説明をしたいと思います。

  • JOYCがなぜ始まったか

JOYCは2016年から始まった新しい大会です。

先行する地区大会、全国大会、そして全国の有志の皆さんが行っている大会がある中でどうして新規に大会を立ち上げたのか説明したいと思います。そしてその目的達成のためにいままでとは違う試みも幾つか取り入れています。

JOYCは既存の大会に対抗して、取って変わることを目的にした大会ではなく、初回の挨拶でも述べている通り

ジャパンオープンヨーヨーチャンピオンシップは長期的な視野から日本のヨーヨー界を発展させることを目的として開く競技ヨーヨーの国際オープン大会です。先に行われた2015年世界大会で初めて日本のヨーヨープレーヤーが多くの海外のプレーヤーと交流し、ヨーヨーは世界に広がっているという感覚を新しく共有することができました。 世界大会で起こったポジティブな変化を継続するためにも、 毎年日本全国のプレーヤーたちが世界中のプレーヤーと一同に会して競い、交流できる大会の必要性を強く感じました。 シンガポールにはAPが、ヨーロッパにはEYYCがあるというように 「日本にはジャパンオープンヨーヨーチャンピオンシップがある」と胸を張れる国際大会をつくりあげます。

APの第一回から参加し、アジア全域のヨーヨーコミュニティーの黎明期からの発展に深く寄与しているHiroyukiと、現在のヨーヨーのトレンドを作り出して、プレイヤーからの支持も熱いKengo,日本にハイパーヨーヨーが導入されてその初めての日から裏も表もいままでをすべて見てきた私がいまの日本のヨーヨー界に足りていないものを既存の大会の枠内で実現するのではなく、無いなら始めていこう、アクションでヨーヨーコミュニティーに示していこうという気持ちでスタートさせた大会です。

古くは2014年の年末に遡り、日本で2015年にヨーヨーの世界大会をするにあたって日本に足りていないものを補完していこうというそれに向けた準備の一環として企画がスタートしています。HiroyukiとKengoのスタイルが多くを語るよりもプロダクトやパフォーマンスで結果を出すというスタイルなので来ればわかるというスタンスも若干ありました。有言実行という言葉がありますがJOYCの場合、無言実行になってきてたという反省もあり、最近になって色々と文章を寄稿させてもらっています。

ぱっと思いつきで始めたアクションでもなく、また単に何かに対抗して始めたというものでもなく、ずっとモヤモヤくすぶっていた気持ちが去年の世界大会で色々見えたことで明確に危機感として立ち上がり、新しいコミュニティーを作り出していくというアクションにつながりました。

そもそも日本に国際大会が無いっていうのがもったいなぁと思っています。アメリカやシンガポール、EYYCに多くの日本人は参加していますが、継続的に海外から日本に来て貰う機会が無い、というのがスタートのきっかけの一つです。

どこを向いて誰のためにあるべきなのか。
  • 誰のための大会か

自分たちで大会を始めるにあたってまず誰のために大会をするのか、というところが一つのポイントでした。大会にはプレイヤーがいて、観客がいて、だけではなく、スポンサーがいて、運営がいて、と多種多様な人たちが様々な関わり方をしています。自分たちで大会をしていくのであればここの優先順位を明確にして行きたいという気持ちがあります。

プレイヤー、観客のため

ここらへんは前回のJOYCのお約束のところで多く触れています。世界大会を世界大会たらしめているものは運営ではなく、プレイヤーたちがそこに集い、最高の演技をステージ上でぶつけてくれるから、そしてそれを目撃する観客がいるから。です。極論ですが、どんな運営であってもプレイヤーたちが大会に集まってくれればそれだけで半分は成功したといえます。(極論ですよ、念のため)。JOYCは新しい大会です。実績もない大会に初めて参加してくれるという人たちがいてこそ成り立つイベントなので最優先はこのブログを読んでくれている皆さんたちです。またそのプレイヤーが立ってみたいという”場”を用意することが一番大事だと思っています。

地区大会は最小限に、ファイナルは派手に、そんな思いで羽田空港国際線ターミナルを会場に選定しています。そこらへんはまた別の機会に書いていきます。今回は主催の3人が6地区会場全部を回ることでプレイヤー、観客の皆さんが求めているものを直接聞いて回りたいという思いもあります。なので打ち上げ、アフターパーティーも含めてのイベント開催となっていて、できるだけみなさんと話がしていきたいです。各会場でガンガン話しかけてください。

スポンサーのため

自分たちがスポンサーの大会でスポンサーのため、というと自分たちの利益のためだけにやっている印象を持たれると思いますが、半分はその通りで半分は違います。有志団体によるイベントである以上、公的な役割を優先させることよりも、そのイベントを成立させるにあたって、予算が必要で、お金を出してくれる人たちのために大会をすることが当たり前だと思っています。大会に参加してくれるプレイヤーや観客の皆さんは来てくれるだけでも嬉しいですがその時にはエントリー費用や入場料を払ってもらっている”お客様”でもあります。そうして”運営”にとってのもう一人の”お客様”はスポンサーです。イベントとして成立させ、継続していくためには誰がお金を出して誰のためのイベントをしていくのかということがとても大切になります。

運営=スポンサー=プレイヤー=ジャッジの主催の3人だからこそ、それぞれの立場で、自分たちを律してどこかに偏らないように大会運営が自分たちの利益のためであることは隠さずに、自分たちの利益のため”だけ”に動いているわけでもないことを理解して欲しいと思います。本来は三権分立のようにジャッジ、運営、スポンサーがそれぞれ別団体で、プレイヤーに向いた民主的で公平な運営をしていくのが理想的ですがまだまだ小さいヨーヨー界なので権力が集中してしまうのは避けられない状況にあるかと思います。なら、なおさら公正明大に胸を張って自分たちへの利益誘導に偏らない姿勢というのはJOYCを運営している自分たちには求められていると考えています。JOYCがヨーヨーリクリエーションやサムシングに偏った運営をしていたらだれもサポートしたくないし、参加しようとも思わないと思います。

ヨーヨー大会のスタートがハイパーヨーヨーの大会で、ハイパーヨーヨーの大会には参加料などもなく参加する側の人たちはお金の問題を意識すること無く大会が行われていました。(実際はハイパーヨーヨーの売上で賄われていて、商品にその金額も含まれているために厳密には無料ではないですが)。

そもそも大会に参加料を取ることに関して物議をかもしだす国も多く存在します。大会は無料で参加できるもので優勝すればヨーヨーがもらえるというのがおもちゃ会社が作り出したスタイルで始まっているために大会の参加料がかかるとそれはどうしてか、運営者の収入になるのかなどのやっかみがおきると東南アジアの主催者達が言っていました。そこの意識を変えていくだけでも大変だったそうです。

一方でその無料の大会を支えてきたヨーヨーブランド側からすると毎週のように送られてくるスポンサーリクエストで、大会にスポンサーをするメリットが明確にあって”商業的に”成立している大会はほとんどなく、大半がヨーヨーを普段買ってあげてるんだからサポートしてくれ、という(そんな風には書いていないですが)ような大会ばかりだと海外のブランドマネージャーが愚痴っていました。ややもすると”税金”のような感覚でお金を出してくれと言ってくるということでした。

そのレベルの海外のスポンサーシップのリクエスト事情からすると日本の有志の大会の主催の皆さんはとてもレベルが高く、事前のリクエストから、大会中の扱い、大会後の報告に至るまで丁寧で、スポンサーをしてよかったと思える大会です。日本にいて顔の見える人たちだからこそサポートもするし関わっていければと思います。ただ顔の見えない海外のブランドたちに対しても同じことが言えてケアできるかというと難しい側面もあります。

日本のヨーヨーコミュニティーを大切に想うのはどのブランドも同じです。とはいえ、予算に制限があり、メーカーはすべてのイベントをサポートするわけには行きません。
JOYCはより多くのプレイヤーを巻き込みたいとは思いましたがより多くのブランドに”開かれた”イベントである必要はないと考えています。世の中に様々あるイベントの中からJOYCをサポートしてくれるブランドには他のブランドと差別化できるように配慮していきたい、スポンサーをするメリットを提供したということから賛否両論あるかとは思いましたがスポンサー縛りを取り入れました。一年目に関しては違和感があったり反発もあるかと思いますが2年目以降はそこにメリットを感じるスポンサーたちと大会を創りあげれればと思っています。

スポンサー以外のヨーヨーは使用できないというのは実は新しいことではなく、ハイパーヨーヨーの大会がまさにそれでしたが、当時、それに関して疑問を持つ人達はいませんでした。大会に現金でスポンサーが付くようになったのは実は比較的最近で僕らが始めた頃の全国大会は参加者の参加費用で大会を運営してきた経緯もあり、ヨーヨー大会でスポンサー以外のヨーヨーを使用することを禁止するのは”器量が狭い”というような世論が形成されています。もともと脱ハイパーヨーヨーのイベントをしたくてUTYJ(JNの前身)を始めている経緯もあるのでスポンサー縛りは日本では特に違和感があるかもしれません。

以前アメリカの大会でも取り入れようとして総スカンを食らった経緯も知っていたのでこの試みが初年度からうまくいくのか、結果自分達がやっていきたいことに支障が出てきてしまうのでは?という不安もあったのですが事前にダンカンとヨーヨーファクトリーの協力を取り付けてからはこのままやってみようという事になりました。おかげで多くのスポンサー様にご理解をいただき、この大会をサポートしてもらうことが出来ました。

JOYCをやっていく上で余力が有り余っているイベントではないので、スポンサーブランド以外のヨーヨーを展開しているメーカー・ブランドにプラットフォームとして無料で自分たちのイベントを宣伝の機会の場として提供していくのは違うかなという結論に至りました。
以前のように参加者の費用負担だけで大会を運営することができる規模ではなく、スポンサーの協力無しには大きなステージをすることができなくなってきました。去年の世界大会も多くのスポンサーの協力の上であのようなステージを作ることが出来ました。

使用するヨーヨーに制限が出ることでプレイヤーの自由を一部奪うことになります。でもそれに関してはスポンサーの大会をサポートするメリットというのを打ち出すためには必要な制限であることを理解してもらいたいという気持ちもあります。JOYCはプレイヤー、スポンサーという”二人のお客様”を満足させるようなイベントを運営していきたいと思っています。本来はうちうちの事情でスポンサー向けの説明文に書いてあれば良いことなのですが、プレイヤーの方にも理解をしてもらいたいと思い、公開させていただきます。

スポンサー縛りが世界大会や全国大会でおきるのは違うと思うしすべてのイベントがそうなるべきだというメーカーのエゴ的なものを全面に押し出していくことが目的ではありません。ただ違う視点から違うことをしていく上でのJOYCの一つの選択ということです。

  • お金とヨーヨーの問題

大会の運営は楽しいことだけではなくてお金の問題と向き合うことなくしては進めなく、規模の大きなこともできなくなってきています。大会運営で収入を得ることに対してはそれが正当な対価で参加しているプレイヤーたちとスポンサーが納得しているのであればそれはそれで良いと思っています。組織として維持運営するための人件費を必要経費ではないと否定するつもりもありません。

ただ自分たちでやるのであればお金の問題は可能な限りクリアに、そして組織として形があって維持運営にお金がかかるわけではないので自分たちで大会から給料を取るのではなく、毎大会ごとに予算を使い切るつもりで全力で返していく形で行きたいと思っています。

初年度は特に赤字(持ち出し)のイベントになるのは覚悟の上ですが、主催の3名(Hiroyuki,Kengo,Taka)ともにヨーヨーの大会から直接、利益を得ていくのではなく、楽しいイベントを行うことで自分たちのブランドの売上につながればそこで利益を取って行きたいという考え方です。前置き長くなりましたが半分は自分の利益のために、の”利益”はJOYC外で行っている自分たちのメインビジネスのリターンです。

 

大会のために集めた参加者とスポンサーからの資金は種籾であって、さらによい大会を開催してくための種です。そこに手を付けて食べてしまっては結果、畑にまく種が減り、将来の収穫が減ってしまいます。

ここでいう収穫は直接的な売上とか利益ということではなくてヨーヨー界の発展という意味です。デリケートな問題なので言葉の問題で勘違いをしてほしくはないものの、たとえで表現したほうがわかりやすいとあえてこの表現を用いました。

少しディープな話題に踏み込んでしまいましたが新しい、楽しいJOYCにしていくためにいろいろ考えた上での行動です。

でもそれに対して察しろとか質問をするなということはありません。JOYCに関して説明不足、疑問な所があればアフターパーティーなどで、どんどん聞いてみてください。

ヨーヨーの最前線で戦っている3人が立ち上げたムーヴメントなのでそれぞれのアクションにそれなりに意味はあるつもりでやっています。わかりにくい文章になっているかもしれませんが最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

2016年9月
JOYC主催 ヨーヨーマスターTAKA